ミルコからのメッセージ

2006.07.03

7月2日

みんな、昨日は応援、ありがとう。
おかげで、決勝ラウンドに進む事ができた。
考えてみれば、9月10日まで、たったの2ヶ月しかない。

クロアチアに帰ったら、またトレーニングに明け暮れる日々が、延々と続く。
その、苦労の先に、俺の望むものが本当にあるのだろうか?
ワンデイ・トーナメントになると、「運」というものを避けては通れない。
俺は、今まで、「運」というものに微笑んでもらったためしがないように思う。
もっと言えば、トーナメントの神様がもたらす「運」に関してだ。
こればかりは、誰も見ていないところでも、黙々と汗を流し、努力を続けていく事でいつか、神様が微笑んでくれる事を待つのみなのだろう。
これだけ努力をしたのだから、ご褒美として・・・という事か。

吉田さんは、肉体的な面で、特に腕っ節とか握力の非常に強い男だった。
俺は、日本人でもこんなに腕っ節の力が強い男がいる事を知らなかった。
彼が、精神的に強いのだろう事は、予想していたけれど・・・。
彼は、どういう尺度から見ても、日本最強であることは間違いのない事実だ。
そして、今回学んだ事は、「柔道」という道の、奥の深さだ。
長い歴史の中で、脈々と培養されてきたものに、今回初めて触れたような気がする。
もっと大きな筋肉を持つマーク・コールマンやロン・ウォーターマンのような、怪力型の選手とも戦ってきたが、彼らよりも、もっと奥の深いところで、吉田さんのほうが、力が強かった事に、正直驚かされた。
「柔道」は、その競技を極めていく過程で、技術や精神的なものだけでなく、計り知れない肉体的な強さも育んでいくという事なのだろう。
日本人は、この日本で生まれた、素晴らしい「柔道」に、もっと誇りを持つべきじゃないかな。
俺は、いつか彼に、クロアチア人にも柔道を普及させて欲しいと思う。
柔道のもたらす精神性、忍耐力を、俺も含めて、多くのクロアチア人も学ぶべきだと声を大にして言いたい。

さあ、明日帰国だ。
みんな、待っていてくれ。
また「運」というものに翻弄されるのか、それともそれを手繰り寄せる事ができるのか?
その答は、9月10日に出る。
今日から、その日までの時間の過ごし方だけには、悔いが残らないように。
絶対に・・・。

ミルコ・クロコップ

2006.07.03 |